前歯のセラミック治療
今回は前歯のセラミック治療についてご紹介します。
前歯が虫歯になってしまったり怪我で欠けてしまった場合や、前歯の色、形、歯並びを直したい場合にはクラウン治療(被せ物・差し歯)を行います。セラミックを用いることで透明感のある美しい仕上がりになり、天然歯と変わらない見た目にすることができます。
私たちの歯は、前歯と奥歯の2つに大きく分けられます。前歯は、前から3番目までの歯で、専門的には「中切歯(ちゅうせっし)」「側切歯(そくせっし)」「犬歯(けんし)」の3本が該当します。つまり、上下左右を合わせると全部で12本あるのが前歯なのです。前歯の数が意外に多いことに驚かれた方もいらっしゃることでしょう。当院ではそんな前歯のいろいろな症状をセラミック歯・差し歯で治療することができます。
こんな方におすすめ
このような方にはセラミック治療を行うことをおすすめします。
・前歯の形、歯並びを直したい
・出っ歯、すきっ歯が気になる
・歯が事故などで欠損してしまった
・歯並びを直すのに時間をかけたくない
・歯を白くしたい
・前歯がむし歯になってしまった
前歯のセラミックの種類と特徴
前歯の治療に使用するセラミックにはいくつか種類があります。
・オールセラミック
審美性に特に優れている素材なので、以前から前歯のセラミック治療にはよく使用されています。白く透明感のある美しい仕上がりとなりますが、耐久性が低いというデメリットもあります。
・ジルコニア
人工のダイヤモンドと呼ばれるほど硬く耐久性に優れている素材です。オールセラミック比べて透明感が劣るため以前は奥歯で使用されることが多かったですが、近年は技術が進歩し美しい仕上がりとなり前歯の治療の際にも使用されるようになりました。
・ハイブリッドセラミック
プラスチックとセラミックを混ぜた素材です。天然歯と非常に近い硬さであるので周囲の歯を傷つけず、変色しづらいというプラスチックとセラミックの利点を兼ね備えています。純粋なセラミックには劣りますが比較的安価でキレイな仕上がりになります。
・メタルボンド
メタルフレームと呼ばれる金属の土台の上からセラミックをつけたものです。
表面のセラミック部分はオールセラミックなので透明感のあるキレイな仕上がりになり、金属を使用しているので金属アレルギーのある患者様は使用できない場合があります。
前歯をセラミックで治療するメリット・デメリット
前歯をセラミックで治療すると、次に挙げるようなメリットとデメリットが得られます。
【メリット】
◎治療期間が短い
前歯のセラミック治療は、すべてのプロセスを含めても1ヵ月程度で終わるケースが大半を占めます。歯を動かすのに2~3年かかる歯列矯正と大きく異なり、数回の通院で美しいセラミック製の前歯が手に入るのです。治療期間中は仮歯で過ごすこともありますが、最終的なセラミック歯に近い見た目をしており、その間もストレスや不自由を感じにくいです。そのため、短期間でストレスなく、美しい前歯を手に入れたい方にはセラミックによる審美歯科治療がおすすめといえます。
◎最適な色を選べる
ひと言でセラミックと言っても、素材の質や色には多彩なバリエーションがあります。前歯は高い審美性が求められる部位だけに、色の選択が何より重要となると言っても過言ではありません。その点、セラミックは患者様のご要望やその他の歯との調和を踏まえた最善の色を選択することができるため、仕上がりにもご満足いただけることでしょう。とくに歯科材料の中で最も美しいとされている「オールセラミック」であれば、色調はもちろんのこと、光沢や透明度まで追求することが可能です。
◎経年的な劣化が起こりにくい
前歯の人工歯は、経年的な劣化も目立ちやすくなっています。例えば、過去に入れたレジン歯が数年経過して黄ばんでくることはよくあります。レジンは歯科用プラスチックであり、時間の経過とともに変色していってしまうのです。摩耗していく現象も避けられません。一方、強度と安定性が高いセラミックは、経年的な劣化がほとんど起こりません。審美歯科治療から5年経っても装着した当初のセラミックの色を保持しているケースがほとんどです。前歯の黄ばみはとても目立ちやすいため、劣化現象が起こりにくいという点は患者様にとって極めて大きなメリットといえます。
◎金属アレルギーのリスクがない
前歯をセラミックで治療することは、お口や身体の健康維持にも寄与します。そもそも銀歯をそのまま前歯に装着することは保険診療でもありませんが、土台の部分は金属となります。その時点で金属アレルギーのリスクが生じます。一方、セラミックのみを使用した前歯の治療なら、当然ですが金属アレルギーのリスクがゼロとなります。これに付随して、歯茎が黒ずむメタルタトゥーのリスクもなくなります。メタルタトゥーは、銀歯や金属製の土台から溶け出した金属イオンが歯茎に沈着することで生じる黒ずみであり、前歯の審美性を大きく低下させる要因にもなります。
◎歯との適合性が高い
セラミックは、銀歯やレジン歯よりも歯質との適合性が高いです。歯にぴったりと装着できることから脱落しにくく、細菌の侵入も起こりにくくなっています。そのため装置としての寿命が長いだけでなく、虫歯・歯周病リスクも低く抑えられます。歯質との適合性が高いということは、セラミック歯との切れ目も目立たないので、高い審美性が要求される前歯の審美歯科治療には最適な材料といえます。
【デメリット】
◎保険が適用されない
前歯の審美歯科治療をセラミックで行う場合は、原則として保険が適用されません。全額自己負担となることから、保険診療よりも前歯の治療にかかる費用が高くなります。保険診療で使うことができるセラミックもありますが、前歯の審美歯科治療で用いるセラミックとは別物とお考え下さい。保険のセラミックは「ハイブリッドレジン」と呼ばれる材料で、セラミックとレジンの混合材料ではあるものの、厳密には歯科用プラスチックに分類されます。
◎割れる・欠けるリスクがある
前歯をセラミックで治療した場合は、人工歯が割れたり、欠けたりするリスクを伴います。セラミックはとても丈夫な素材ではあるものの、強い衝撃が加わることで割れてしまいます。それはセラミック製のお皿を床に落とした時の状況を思い浮かべていただくとわかりやすいことかと思います。とくに前歯というのは、転倒やスポーツによるトラブルで強い衝撃を受けやすい場所でもあるため、セラミックで審美歯科治療を行う上では注意が必要です。もちろん、前歯のセラミック歯が割れたり、欠けたりするトラブルは、それほど高い確率で生じるものではないことから、過剰に心配する必要もないといえます。
◎神経の処置が必要となることがある
セラミックを用いた前歯の審美歯科治療というのは、あくまで見た目を良くするために実施するものなので、歯の寿命を縮めるような処置はできるだけ避けたいものです。ただ、セラミック製の被せ物を装着する上で歯の切削処置は不可欠となります。それだけなく歯の神経を抜く処置も必須となるケースが珍しくありません。これらはいずれも歯の寿命を少なからず縮めることとなるため、前歯をセラミックで治療する上でのデメリットになります。
◎セラミックにも寿命がある
前歯の審美歯科治療で用いるセラミックは、経年的な劣化が起こりにくい素材です。ケアの状況が良ければ、10年経っても治療当初と同じような白さ、光沢、透明感を維持できることでしょう。とはいえ、前歯のセラミックも人工物であり、必ず寿命がやってきます。セラミックの前歯が寿命を迎えたら、何らかの方法で再治療しなければなりません。その際、また審美歯科治療の費用がかかります。これは前歯のセラミック治療に限らず、すべての歯科治療に言えるデメリットでもあります。
前歯のセラミック治療の流れ
前歯のセラミック治療は、次のような流れで進行します。
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01
初回無料カウンセリング
当院では初回は美容・審美歯科専門の院長が無料でカウンセリングを行います。今の歯の状態、理想、ご予算、前歯に関するお悩みをご相談ください。前歯は口元の審美性を大きく左右する部位であり、それぞれ異なるお悩みをお持ちのことかと思います。東京セラミック審美歯科クリニックでは、審美専門の院長が無料でカウンセリングいたしますので、お気軽にご相談ください。院長はこれまでたくさんの前歯治療を経験しており、さまざまな症例に対応できます。患者様のご要望も踏まえた上で、最善といえるセラミック治療の方法をご提案できます。
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02
検査
セラミックによる前歯治療では、お口の中の検査や写真撮影、レントゲン撮影などを行います。精密検査の時に虫歯や歯周病などが見つかった場合は、それらの治療を優先します。前歯のセラミック治療の精密検査は、カウンセリングのあとすぐに行うこともあれば、次回ご来院いただいた際に行うこともあります。
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03
治療計画
精密検査の結果と患者様のご要望を踏まえた上で、前歯の治療計画を立案し、ご説明します。審美歯科治療は、患者様の満足度が極めて重要となる分野なので、治療計画に不安や疑問があれば何でもお伝えください。患者様に心からご納得いただけるまでは前歯治療を開始いたしません。
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04
神経処置・土台作り
前歯の治療計画に同意いただけましたら、いよいよ処置のスタートです。セラミックによる前歯治療で歯を大きく削らなければならないケースでは、神経処置を行うことも珍しくありません。神経処置とは、歯の神経を抜くことで、専門的には抜髄(ばつずい)といいます。歯の神経を残したまま前歯のセラミック治療を行うと、しみたり炎症反応が出たりする恐れがあるため、予防的な抜髄を実施します。抜髄や歯を削る処置に強い不安感や恐怖心がある方には、セラミック治療を無痛で行うことができる静脈内鎮静法をご案内できますのでお気軽にご相談ください。神経処置が終わったら、前歯の被せ物を装着するための土台作りです。セラミックを用いた前歯治療では、主にファイバーコアと呼ばれる土台を作ります。柔軟性・審美性・生体安全性に優れたグラスファイバーを用いて仕上げます。
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05
歯型取り
土台まで仕上がったら、歯型取りを行います。前歯のセラミック治療は精度が極めて重要となることから、歯型取りも細心の注意を払いながら実施します。このプロセスまで進めば、強い恐怖心や不安感を覚える場面もないことから、静脈内鎮静法による無痛治療の必要性も低下します。ただ、歯型取りに用いるための印象材によって嘔吐反射を起こしやすい人には、静脈内鎮静法が効果的です。無痛治療では、さまざまな反射機能も抑制されることから、不快な臭いのするシリコーン印象材を口に含んでも吐き気を催しません。
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06
仮歯の製作・装着
歯型を採ることができたら、仮歯を製作し、微調整を加えた上で装着します。前歯治療の多くのケースでは、ここでいったん処置が完了となります。仮歯の状態で数日間過ごしていただき、使用感などを確認。見た目や噛み合わせなども問題がないかをチェックします。仮歯というのは、文字通り仮の歯ではありますが、高い審美性が求められる前歯のセラミック治療では、極めて大きな役割を果たすため、この期間は注意深く過ごすよう努めましょう。
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07
セラミック歯の製作・装着
仮歯の装着時のフィードバックをいただき、大きな問題がなければ本番のセラミック歯を製作します。前歯のセラミック治療の最終工程です。東京セラミック審美歯科クリニックでは、セラミック歯の製作に熟練した歯科技工士と連携しておりますので、患者様の理想に近い前歯に仕上げることが可能です。セラミック歯が完成し、装着した後も噛み合わせなどを細かく調整します。
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08
メンテナンス
前歯のセラミック治療が終わった後も定期的にご来院ください。前歯のセラミック歯にトラブルが生じていないかをチェックいたします。その他の前歯もセラミックで治療したくなった場合は、お気軽にご相談ください。前歯部全体のバランスや美しさを加味した上で、最善といえる治療法をご提案します。
前歯に現れる歯の異常について
前歯には、いろいろな種類の異常が現れます。ここでは前歯のセラミック治療で改善できる症状についてご紹介します。
◎前歯の形・大きさの異常
私たちの歯は、個々人で大きく異なります。隣り合っている2本の中切歯でも違いが見られることから、前歯に関する悩みを持っている人は極めて多いといえます。とりわけ前歯の形や大きさの異常に関しては、歯並びの治療で改善できるものではないので、セラミックの差し歯による審美歯科治療が適しているといえるでしょう。セラミックの差し歯であれば、形や大きさを自由に決められます。隣り合っている前歯とまったく同じ形・大きさにすることも不可能ではないのです。そうしたことから東京では前歯の形や大きさの異常をセラミックによる差し歯治療で改善する人が多くなっています。
◎出っ歯(上顎前突)
上の前歯が標準よりも前方に位置していたり、大きく傾いていたりすると、出っ歯の症状が現れます。専門的には上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれる歯並びで、日本人によく見られる症状です。一見すると出っ歯は歯を動かす歯列矯正でなければ治せないように見えますが、セラミック製の差し歯を使った審美歯科治療でも改善可能です。
◎すきっ歯(空隙歯列)
前歯と前歯の間に不要なすき間があるすきっ歯も前歯部に現れやすい異常のひとつです。専門的には空隙歯列(くうげきしれつ)と呼ばれる歯並びで、その中でも上の前歯の真ん中にすき間があるケースを正中離開(せいちゅうりかい)といいます。東京の審美歯科で前歯のセラミック治療を希望される方は、この正中離開に悩まされていることが比較的多いです。すきっ歯を歯列矯正で治すとなると、左右の歯をすべて動かさなければならず、治療期間は数年に及びます。セラミックを用いた差し歯治療なら1ヵ月程度で終わるだけでなく、費用も安く抑えられます。
◎前歯の変色
前歯の色は、食事や喫煙などによって黄ばんでいきます。その程度がまだ軽い状態であれば、クリーニングやホワイトニングで改善できますが、重度の前歯の着色・変色となると、セラミックを用いた修復治療が必要となります。セラミックを用いた差し歯治療なら、重症度の高い前歯の変色もきれいに改善できるからです。東京セラミック審美歯科クリニックでは、外傷によって歯が黒く変色した症例にもセラミックを用いた差し歯治療を実施する機会が多いです。歯を強くぶつけた際に神経が死ぬと、時間をかけて徐々に黒ずんでいきます。そうした前歯の変色は、通常のホワイトニングで改善することは不可能です。
◎前歯が欠けた・折れた
前歯は外傷によって欠けたり、折れたりすることも多いです。乳歯の場合は、永久歯に生え変わることから、わざわざセラミックで審美歯科治療を実施する必要はありませんが、永久歯の破折となると話は変わります。これから何十年も使い続けていく大切な前歯ですので、可能な限り美しく修復したいものですよね。そんな時にセラミックの差し歯を用いた審美歯科治療はおすすめです。
出っ歯をセラミックの差し歯で治す方法
前歯の悩みで最も多いのは「出っ歯」の症状です。前歯が前方に位置していたり、傾いていたりすることで口元が突出する歯並びです。そんな出っ歯は、差し歯による治療で治すことが可能です。具体的には、出っ歯の原因になっている歯にセラミック製の被せ物を装着することで口元の突出感や上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれる歯並びの異常を改善できます。セラミック製の差し歯というのは、形や大きさを細かく調整できるため、前歯を動かさずとも出っ歯を正常な状態に治せるのです。出っ歯を差し歯で治す方法というのは、ある意味、前歯の審美歯科治療の効果を最も実感しやすいケースといえます。
ラミネートベニアについて
ここでは主にセラミック製の差し歯を使った前歯治療について解説していますが、ラミネートベニアという少し特殊な審美歯科を選択することも可能です。ラミネートベニアとは、薄いセラミック製のシェル(チップ)を前歯の表面に貼り付ける治療法で、東京セラミック審美歯科クリニックでもいろいろな症例に適応しております。前歯の表面を一層削るだけで装着できるため、通常のセラミック治療とは比較にならないほど切削量が少なくなります。使用するのは付け爪のような形態をした薄いセラミックシェルではありますが、前歯の形や色、すきっ歯などの歯並びの異常まで改善可能です。ただし、セラミックの差し歯と同様に「割れやすい」というデメリットを伴う点に注意が必要と言えます。
芸能人のきれいな歯は差し歯?
芸能人はみな一様にきれいな前歯をしています。歯の形、色、歯並び、どれをとっても完璧といえる人が少なくありません。そうした芸能人のきれいな歯は、差し歯なのか気になることかと思います。
◎差し歯の芸能人は意外に多い
差し歯というのは、被せ物やクラウンとも呼ばれる装置で、芸能人の歯科治療でも広く活用されています。差し歯は治療期間が短いだけでなく、歯の色や形、歯並びまで簡便に改善できることから、多忙を極める芸能人にとってメリットの大きい治療法となっています。ですから、皆さんが美しいと思う芸能人の前歯も差し歯である可能性は低くないのです。
◎差し歯が芸能人に人気の理由
芸能人は、人前に出ることが仕事であり、高解像度のカメラで口元を接写される機会も多いです。そのため装置が目立ちやすい歯列矯正を行うという選択肢はまず外れます。ホワイトニングであれば、前歯の色を改善できるものの、形や大きさ、歯並びを良くすることは不可能です。そうして最後に残るのが「差し歯」という選択肢なのです。差し歯による治療なら、芸能人が抱えるさまざまな制約をクリアすること可能となります。
東京で前歯のセラミック治療を検討中の方へ
東京で前歯の形や大きさ、歯並びなどを差し歯によって治療したいという方は、お気軽に東京セラミック審美歯科クリニックまでご相談ください。当院ではこれまでたくさんの前歯のセラミック治療を手掛けてきました。前歯の差し歯治療の素材としては、オールセラミック、ジルコニア、ハイブリッドセラミック、メタルボンドの中からお好きなものをお選びいただけます。それぞれの素材に異なるメリット・デメリットがありますので、詳細について知りたい方は当院までお尋ねください。
ちなみに、東京の前歯の差し歯治療では、オールセラミックを選択される患者様がとても多いです。オールセラミックは、天然歯の色調や光沢、透明感を忠実に再現できる素材であり、前歯の差し歯治療にはうってつけといえます。実物をご覧になると、その美しさに目が奪われることでしょう。
東京セラミック審美歯科クリニックには、30年以上にわたる審美歯科の臨床経験があります。カウンセリングを行うのも審美歯科のプロフェッショナルである歯科医師であり、患者様がどのようなお悩みを持ち、どのような審美治療を求めているかも正確にヒアリングすることが可能です。何よりも精度の高い前歯の差し歯治療を東京で行うことができる数少ない歯科医院といえます。セラミック複数本の治療だと20%割引が適用されますので、東京の審美歯科治療の費用面で不安がある方もぜひ当院までご相談ください。