セラミック歯はどのくらい持つ?セラミック治療の寿命や長持ちさせる方法を解説
ここ最近よく聞くようになったセラミック治療、虫歯治療で歯を削った方や歯の形・並び・色を変えたい方にはオススメの治療となっております。セラミックの歯は、見た目が美しく、汚れがつきにくく、着色もせず、金属アレルギーのリスクもなく、かみ心地も優れているため、ご選択いただく患者様やお口の中に入っている銀歯やレジン歯(プラスチック)と交換したいと希望される患者様が増えてきております。このセラミック治療は、保険が適用せず全て保険外治療(自費治療)となります。ですので、「長く使いたい」そう思う方がほとんどかと思います。当院では、しっかりとメンテナンスを行っていただく方は「10年保証」と他院様より長く保証期間を設けておりますが、自費治療であればそれ以上の期間使っていきたいものです。そこで、今回はこのセラミックの歯の寿命や長持ちさせる方法についてお話ししていければと思います。
そもそも人工歯は大きく2つに分かれます。インレーと呼ばれる詰め物と、クラウンと呼ばれる被せ物です。それぞれ、適応する症状も違えば、インレーで使う素材、クラウンで使う素材などがありますので、特長も違えば寿命も違います。
いわゆる銀歯と呼ばれる唯一の保険適用のインレーです。銀は唾液で溶けて銀イオンに変化し体内に吸収され金属アレルギーへ悪影響を及ぼすともいわれております。また、みなさんもご存じかと思いますが銀は叩けば平になっていきます。人間の噛む力は思いっきり噛めば約70㎏といわれており、銀歯は噛めば噛むほど形が変化していきます。上記2点より、最初は良くともその状態と長く維持することはできず、虫歯が再発したりします。メタルインレーの寿命ですが装着から3~5年持てば良いといわれております(メンテナンスや口腔内状況によります)。
ハイブリッドセラミックインレーとは、歯科用プラスチックであるレジンと歯科用陶材であるセラミックを合わせた材料です。全てがセラミックで出来たe-maxインレー(セラミックインレー)には見た目(色)・強度では劣りますが、その分費用が安価になります。理由は、セラミックは水分に強く着色もありませんが、混じっているプラスチック(レジン)は色の変化(着色)が起こるのと水分に弱い性質のためです。元々の自分の歯(天然歯)の硬さは400MPaといわれていますが、ハイブリッドインレーは200~250MPaと約半分ほどです。平均的な寿命は7~8年といわれております(メンテナンスや口腔内状況によります)。
現在、スタンダードになりつつあるe-maxインレー(セラミックインレー)です。見た目(色・審美性)や強度に優れております。汚れも付きにくく、着色もせず、虫歯の再発も起きにくい素材です。
元々の自分の歯(天然歯)の硬さは400MPaといわれていますが、e-maxインレー(セラミックインレー)は400MPaとほとんど同じです。平均的な寿命は10~15年といわれております(メンテナンスや口腔内状況によります)。メンテナンスをしっかり行えば一生持つともいわれております。
ジルコニアインレーは、人工ダイヤモンドとも呼ばれる素材で、ロケットの外壁にも使われており極めて高い強度を誇ります。硬さは1300MPaといわれており、使用していく中で割れることはないのですが、向かい合っている歯(対合歯)を傷めてしまうリスク、接着に用いた歯科用セメントが劣化することで、寿命を迎えることが多いです。ジルコニアインレーの寿命は10年程度といわれております(メンテナンスや口腔内状況によります)。メンテナンスをしっかり行えば一生持つともいわれております。
セラミック製の歯の寿命
インレー(詰め物)の寿命
インレー(詰め物)には、大きく4つの種類があります。メタルインレー(銀歯)、ハイブリッドインレー、e-maxインレー(セラミックインレー)、ジルコニアインレーです。下記それぞれの寿命について記載いたします。(※当院ではe-maxインレー(セラミックインレー)を推奨しております。)
メタルインレー(銀歯)(※当院の取り扱いはございません)
ハイブリッドセラミックインレー(※当院の取り扱いはございません)
e-maxインレー(セラミックインレー)
ジルコニアインレー
セラミッククラウンの寿命
メタルクラウン(銀歯)(※当院の取り扱いはございません)

クラウンでは保険適用する素材は3つあります。そのうちの1つであるメタルクラウン(銀歯)とは、いわゆる銀歯のことです。インレーと同様で、銀は唾液で溶けて銀イオンに変化し体内に吸収され金属アレルギーへ悪影響を及ぼすともいわれていて、銀は叩けば平になっていきます。人間の噛む力は思いっきり噛めば約70㎏といわれており、銀歯は噛めば噛むほど形が変化していきます。上記2点より、最初は良くともその状態と長く維持することはできず、虫歯が再発したりします。メタルクラウンの寿命ですが装着から3~5年持てば良いといわれております(メンテナンスや口腔内状況によります)。
硬質レジン前装冠(※当院の取り扱いはございません)

こちらは前歯にのみ使える保険適用の素材です。中は金属で、表面にプラスチック(レジン)を貼り付けたクラウンです。後述のメタルボンドのセラミックの部分がレジンで構成されている被せ物と表現したらわかりやすいかと思います。保険が適用されるため、費用を安く抑えることができるのですが、銀は先ほども述べた通り寿命は短いですしプラスチックも着色するため、寿命は3~5年程度といわれています。
メタルボンドクラウン(※当院の取り扱いはございません)

メタルボンドクラウンは自費治療となります。硬質レジン前装冠のプラスチックの箇所がセラミックとなった素材です。つまり、中は金属で表面にセラミックを貼り付けたクラウンとなります。セラミックが表面にありますので審美性は高いのですが、中に金属を使用しているため、金属アレルギーのリスクがあります。また、歯周病が進むと歯肉が退縮し、金属の部分が露出するケースがあります。メタルボンドの寿命は8~10年程度といわれております(メンテナンスや口腔内状況によります)。
ジルコニアクラウン

ジルコニアクラウンは色味がセラミッククラウンの劣るため、よく奥歯に使用されます。硬さが1300MPaといわれており、寿命は10~15年程度と比較的長くなっています。
セラミック歯の寿命が長い理由
①材料としての安定性が高い

メタル、プラスチック、セラミック、ジルコニアと素材を比較したときに、口腔内という環境下での耐久度が違います。口腔内は常に水分(唾液)にさらされており、糖(食事)が混じり、約70㎏で噛みつぶされるというなかなか過酷な環境です。 保険適用で使えるメタル、プラスチックはどうしても過酷な環境下では長い間は耐えられません。そもそも、日本の保険治療とは対処療法的であり、「とりあえず噛めれば良し」という治療方法です。長く保たせることがそもそも難しい素材なわけなのです。ですので、審美性が高く健康的で長く使い続けようと思ったら必然的にセラミックやジルコニアとなります。このようにそもそもの材料・素材の特徴があります。
②歯とぴったり適合する

人工歯の寿命を大きく左右する要因としては、歯と人工歯の適合度合い(適合性)があげられます。どんなに優れた材料でも、歯と人工歯の間にすき間があったら容易に外れてしまいます。また、そこに汚れが入り込み虫歯の再発リスクも上昇します。その点、セラミックは歯質と緊密に適合させることが可能なので、自ずと人工歯としての寿命も長くなるのです。
③汚れが付着しにくい

銀歯やプラスチックと違いセラミックは表面に、汚れがつきにくいのが特徴のひとつです。セラミックを入れると舌でずっと触っていたくなるくらいツルツルしています。細菌の温床となる歯垢や歯石が出来にくいことから、虫歯・歯周病のリスクも低下します。これもまたセラミック歯の寿命が長くなる理由のひとつといえます。
セラミック歯の寿命を縮める原因
①歯との適合状態が良くない

前述したとおり、セラミックはレジンや金属と比較すると歯との適合性が高い素材といえます。セラミックは歯質とぴったり合うよう、精密に加工できますし、装着の際には特別な接着剤を用いることができるからです。ただし、適合性の良し悪しは、歯型取りの精度、詰め物・被せ物を作り上げる歯科技工士の技量、装着時の操作などによって大きく左右されます。そうした治療プロセスのいずれか一つにでもエラーが生じると、セラミック歯の寿命は短縮されてしまうのです。
②虫歯の再発

虫歯が再発したら、セラミック歯が外れる、あるいは外さなければならなくなります。セラミック歯自体がどんなに美しく、正常な状態を保っていたとしても、その下に異常が発生したら治療を優先せざるを得ないからです。セラミック歯の虫歯の再発リスクは比較的低くなっていますが、歯との適合性が悪い、セルフケアが不十分だと、歯質とのすき間に細菌が侵入しやすくなります。
③不十分なセルフケア

これはセラミック歯に限ったことではありませんが、セルフケアが不十分だと虫歯リスクが上昇して、人工歯の脱離、あるいは除去を余儀なくされます。また、硬い歯ブラシでゴシゴシと力強く磨く習慣があると、歯茎が下がって歯根面が露出してしまいます。その結果、セラミック歯との境目が虫歯になったり、歯との適合性が悪くなったりするなどして、寿命を迎えることもあります。
④歯ぎしりの習慣がある

歯ぎしりや食いしばりなどのブラキシズムがあると、セラミック歯の寿命は縮まります。セラミックは、強い衝撃や圧力がかかると割れることがあるからです。ブラキシズムがあることがわかっている場合は、ボトックス注射やマウスピースの装着など歯を安全に長く保たせるための方法を用います。
セラミック歯の寿命を延ばす方法
①精密なセラミック治療を受ける

診査・診断、歯の形成、被せ物の製作、装着に至るまで、すべてを精密に行ってくれる歯科医院に治療を任せましょう。当院であれば、治療の各プロセスの精度を限界まで高め、最高の形で歯質にセラミック歯を装着することができます。
②虫歯を再発させない

虫歯を再発させないために、セルフケアを徹底しましょう。同時に、歯科医院でのメンテナンスやプロフェッショナルケアも継続することが大切です。セラミック歯の状態を正確に把握するためには、レントゲン撮影が有効です。
③歯ぎしりを改善する

歯ぎしりや食いしばりなどの悪習癖がある人は、早期に改善しましょう。歯科医院では、マウスピースを用いた治療を受けることができます。日常生活でも意識的に歯ぎしり・食いしばりを抑える努力をする必要があります。