オールセラミックで矯正すると口臭の改善が期待できます
歯科では主に5種類のセラミックを使用します
歯科治療で用いる「セラミック」というと、歯の色に近い素材が1種類しかないと思われがちですが、実際はたくさんの種類があります。それぞれに異なる特徴があり、値段も素材によって大きく異なります。今現在、歯科医院で広く使われているセラミックは、以下の5種類です。
・ポーセレン
・ジルコニア
・イーマックス
・メタルボンド
・ハイブリッドセラミック
この中で古くから使われている歯科用のセラミックは「ポーセレン」です。技術の進歩に伴い、さまざまなセラミック材料が開発されて、上記のようなラインナップとなりました。
5種類のセラミックの比較
◎見た目が美しいのは「ポーセレン」「イーマックス」
セラミック治療において審美性に重点を置くのであれば、ポーセレンとイーマックスがおすすめです。これらはスタンダードなセラミックであり、天然歯の色調や光沢、透明感を再現する上で有利です。とくにイーマックスは、ポーセレンの弱点だった「割れやすい」という性質を克服しつつあり、審美性と耐久性を兼ね備えたセラミックとして注目を集めています。
◎耐久性が高くて割れにくいのは「ジルコニア」
セラミック治療において耐久性に重点を置くのであれば、間違いなくジルコニアがおすすめです。ジルコニアは、金属に匹敵するほどの強度を誇り、「人工ダイヤモンド」と呼ばれるくらい丈夫です。強い力がかかりやすい奥歯の被せ物や歯ぎしり・食いしばりのある人の治療には、ジルコニアが第一選択となります。セラミックの一種なので、天然歯に近い色を再現できますが、ポーセレンやイーマックスほど美しくはありません。また、硬すぎることから、噛み合う歯を傷めてしまうリスクがある点にも注意が必要です。
◎費用が安いのは「ハイブリッドセラミック」
セラミック治療の経済面に重きを置くのであれば、「ハイブリッドセラミック」がおすすめです。歯科用プラスチックであるレジンとセラミックを組み合わせた素材で、原材料費が最も安いです。レジンが含まれていることから、経年的な摩耗や変色は避けられず、標準的なセラミックよりも審美性には劣りますが、費用を安く抑えられる点は大きなメリットといえます。ちなみに、一部の保険診療でもハイブリッドセラミックを使った被せ物治療を受けることが可能です。
◎審美性と耐久性のバランスが良いのは「メタルボンド」
メタルボンドは、フレームとなる部分が金属で、表側にセラミックを盛り上げた被せ物です。金属アレルギーやメタルタトゥーのリスクはあるものの、耐久性は銀歯と同程度です。外から見える部分にはポーセレンを盛り付けるため、一見すると普通のセラミック歯に見えます。当然ですがイーマックスやポーセレンには審美面で劣ります。
レジンとセラミックの違いは？
歯科治療ではもうひとつ「レジン」と呼ばれる白色材料を用いることができます。レジンは詰め物や被せ物、ブリッジ、入れ歯など、いろいろな装置に使用できる歯科用プラスチックで、費用が安価なのが大きな特長です。比較的軽度の虫歯であれば、ペースト状のコンポジットレジンを流し込んで、光で固めるだけで治療が完了することから、操作性が良い点もメリットの一つとして挙げられます。
そんなレジンはあくまでプラスチックであり、陶材であるセラミックとはいろいろな点で大きく異なります。実際にレジンで歯科治療を受けた経験がある方ならわかるかと思いますが、2～3年も経過すると黄ばんできたり、摩耗で形が変わってきたりするなど、セラミックにはあまり見られない経年劣化が現れます。虫歯の再発リスクもレジンの方が高いことから、長い目で見るとセラミックを選択した方が良いといえるでしょう。
【まとめ】セラミックにはいくつかの種類がある？
歯科治療で用いるセラミックは1種類ではありません。いくつかの種類があり、それぞれに異なる特性があります。値段も見た目も異なることから、自分にとって最善といえるセラミックを選んだ方が良いといえます。
▼歯科では主に5種類のセラミックを使用します
歯科では、ポーセレン、ジルコニア、イーマックス、メタルボンド、ハイブリッドセラミックといった5種類のセラミックを使用します。それぞれで硬さや美しさ、価格が大きく異なります。
▼5種類のセラミックの比較
5種類のセラミックを比較した場合、見た目が美しいのは「ポーセレン」「イーマックス」、耐久性が高くて割れにくいのは「ジルコニア」、費用が安いのは「ハイブリッドセラミック」です。審美性と耐久性を両立させたい場合は、メタルボンドを選ぶと良いでしょう。
▼レジンとセラミックの違いは？
レジンは歯科用プラスチックで経年的な摩耗や変色が避けられません。セラミックは安定した材料で、治療から5年経過しても大きな変化は現れません。
