セラミックインレーの特徴・種類・治療の流れを解説

虫歯は、細菌に感染している歯質を削らなければ治せません。削った歯質は元に戻らないため、修復物で補う必要が出てきます。いわゆる“詰め物”や“被せ物”ですね。
治療によって生じた穴がそれほど大きくない場合は、詰め物であるインレーで対応しますが、昨今、「セラミックインレー」の人気が高まっています。すでに入っている銀歯やレジン歯をセラミックの詰め物に替えたいという人も少なくありません。ここではそんなセラミックインレーの特徴や種類、治療の流れなどをわかりやすく解説します。

セラミックインレーとは?

セラミック

セラミックインレーとは、その名の通り歯科用陶材であるセラミックで作られたインレー(詰め物)です。セラミッククラウンのように、歯全体を覆うような大きな修復物ではなく、比較的狭い範囲の欠損部を補うための装置です。セラミックインレーは、基本的に奥歯に適応されます。

詰め物というと、保険診療の銀歯が一般的ですが、経済面でメリットがある反面、審美面や機能面、耐久面にさまざまなデメリットがあるため、始めからセラミックを希望される方、あるいは銀歯からセラミックインレーに替える方が年々増えてきています。そこで気になるのがセラミックインレーのメリットとデメリットですね。

 

セラミックインレーのメリット

ジルコニア

セラミックインレーには、以下に挙げる4つのメリットがあります。

①審美性が高い
セラミックは、天然の歯質の色調、光沢、透明感を忠実再現することができます。とくにインレーは、残っている歯質の中に埋め込む修復物なので、歯質といかに調和させるかが重要となってきます。金属色がむき出しの銀歯は言うまでもなく、白色材料であるレジンもセラミックほど美しく仕上げることは不可能です。

②経年的な劣化が起こりにくい
銀歯は、唾液によって金属イオンが溶出します。金属自体も劣化していきます。レジンも同様に、時間が経過していく中で、変色や摩耗、変質などが起こってきます。その点、セラミックは極めて安定した材料なので、経年的な変色や摩耗がほとんど起こらないのです。治療から数年経過しても、美しい状態を維持するのは難しくありません。

③身体への親和性が高い
材料の劣化は、身体へ悪影響を及ぼします。その最たるものが「金属アレルギー」です。腐食した金属の一部が歯茎を経由して体内に入り、タンパク質と結合することでアレルゲンとなります。歯茎が黒ずむメタルタトゥーも身体への悪影響のひとつといえます。口腔内という過酷な環境であっても、安定した状態を保てるセラミックなら、身体に悪影響を及ぼすことがありません。

④歯と適合性が高い
セラミックは、精密に加工できる材料です。装着の際には、特別な接着剤を用いるため、歯質との適合性が極めて高くなっています。その結果、接着部分から虫歯になったり、かみ合わせに異常が生じたりするなどのトラブルを避けることができるのです。

セラミックインレーのデメリット

セラミック

セラミックインレーは、非常に優れた修復物ですが、材料費が高くなっています。また、美しさや噛み心地を追求する治療ということもあり、保険が適用されません。この点は、セラミックインレー30FCにおける大きなメリットといえます。その他、極端に強い衝撃が加わると割れることがある、というデメリットも伴います。

 

セラミックインレーの種類

ジルコニア

ひと言でセラミックインレーといっても、実はいくつかの種類があります。素材の性質がそれぞれで少しずつ異なりますので、あらかじめ把握しておきましょう。

オールセラミックインレー

オールセラミック

セラミックのみで作られた詰め物です。銀歯やレジンはもちろん、ハイブリッドセラミックよりも美しいです。上述したセラミックのメリットをすべて享受できる材料です。より美しく、より噛める詰め物を希望される方におすすめの装置といえます。

ジルコニアインレー

ジルコニア

ジルコニアは、人工ダイヤモンドと呼ばれるほど硬い素材です。セラミックの一種であり、白色を呈しています。従来のセラミックの“割れやすい”という弱点を克服しており、強い力がかかる奥歯にも問題なく装着できます。ただ、一般的なセラミックよりは透明度に劣るため、多少の違和感が生じやすいです。

ハイブリッドセラミックインレー

ハイブリッドセラミックインレー

歯科用プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた素材です。銀歯やレジンと比較すると、審美性に優れています。歯質との適合性も高く、虫歯の再発リスクも抑えられます。汚れや臭いも吸着しにくいです。ただし、オールセラミックインレーと比べると、審美性、機能性、耐久性に劣ります。あくまでハイブリッド材料なので、純粋なセラミックほど優れてはいないのです。

   

セラミックインレーの治療の流れ

セラミックインレーの治療は、以下の流れで進行します。

カウンセリング

歯に関する悩みや治療への希望をお聞かせください。患者さまのご要望に沿った、最適な治療法をご提案します。

   

歯の形成・色調の確認

色調を揃える

インレーを装着するために、歯の形を整えます。最適な色のセラミックを選択するために、色調を確認します。すでに銀歯が入っているケースでは、詰め物を取り除いた上で歯の形成・色調の確認を行います。

歯の型取り・インレー製作

型取り

インレーを製作するための歯型取りを行います。採取した歯型の模型を作り、その上でインレーを製作します。

 

セラミックインレーの装着

ジルコニア

完成したセラミックインレーを歯に装着します。インレーの適合性やかみ合わせの調整を行ってから、専用の接着剤で歯質と結合させます。

メンテナンス

メンテナンス

セラミックは、経年的な劣化がほとんど起こらない素材ですが、定期的なメンテナンスを受けることで、健康かつ美しい状態をより保ちやすくなります。定期検診の受診と適切なケアの実施で、セラミックインレーの寿命を延ばしていきましょう。

セラミックインレーの寿命を短くする原因

女性悩む

セラミックインレーはとても優れた詰め物ですが、必ず寿命が存在しています。以下に挙げる習慣やトラブルがあると、詰め物の寿命は短くなります。

歯ぎしり・食いしばり

歯

私たちが普段、食べ物を噛む時の力は最大で20kg程度です。これは意識的にも無意識的にも、噛む力をコントロールすることで、歯や歯周組織へのダメージを抑えているためです。一方、寝ている時に起こる「歯ぎしり」や集中している時に生じる「食いしばり」などは、60~80kg程度の力がかかると言われています。それが習慣化していれば、セラミックインレーへのダメージも日々蓄積していくこととなります。

硬い歯ブラシによるブラッシング

ブラッシング

硬い歯ブラシを使ってゴシゴシと力強く磨くと、セラミックが削れていきます。表面に傷が付くことで汚れた付着しやすくなり、虫歯のリスクも上昇しますので、歯ブラシは「ふつう」のものを選ぶようにしましょう。強圧によるブラッシングも控えてください。歯磨きはやさしく丁寧に行うのが基本です。

外傷による破損

セラミック

転倒による外傷などで、顔面および口腔周囲に強い衝撃が加わると、セラミックインレーが割れる、欠ける、外れることがあります。交通事故による外傷は予見することが難しいですが、スポーツによる外傷は適切な対策をとることで予防できます。

セラミックインレーの寿命を延ばす方法

女性指差し

セラミックインレーは、優れた面が多いだけに、費用も少し高くなっています。その分、詰め物の寿命も長くなる傾向にあるのですが、以下に挙げることを実践することで、さらに長持ちさせることが可能です。

セルフケアの徹底

セルフケア

これはセラミックインレーに限ったことではありませんが、詰め物や被せ物の寿命を延ばす上で必須といえるのは、セルフケアの徹底です。正しい方法で毎日歯磨きをしましょう。同時に、デンタルフロスや歯間ブラシも活用してください。歯と歯の間の汚れは、歯ブラシによるブラッシングで落とせません。フロッシングを行って初めて、プラークフリーな状態を作り出せます。とくに奥歯は汚れがたまりやすく、補助的清掃器具の活用が必須といえます。

定期検診・メンテナンス

メンテナンス

セラミックインレーの状態は、定期的に歯科医院で確認してもらいましょう。レントゲンを撮ることで、セラミックインレーと歯質との適合性も正確に把握できます。歯科衛生士によるブラッシング指導を受けることで、正しいセルフケアの方法も身に付きます。

歯ぎしりの治療

マウスガード

歯ぎしりや食いしばりの習慣がある人は、積極的に治療を受けることをおすすめします。歯科では「ナイトガード」と呼ばれるマウスピース型の装置を使って、歯ぎしりによる歯や歯周組織への負担を減らすことが可能です。もちろん、そうした悪習癖自体を取り除くことも必要です。