ラミネートベニアとは?

ラミネートベニアとは?

ラミネートベニアとは、セラミック製の薄いチップ(シェル)を歯の表面に貼り付ける治療法です。主に、歯の審美性を高めるために適応される施術法で、審美治療の分野で広く活用されています。感覚としてはネイルチップ(付け爪)に近く、手軽に歯の色調や形態、大きさなどを美しくできます。

それだけを聞くと、チープな修復治療のように感じるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。ラミネートベニアのシェルは、高価なセラミックで作られているだけでなく、施術には高度な技術が求められます。また、ラミネートベニアの寿命は比較的長く、施術から10~20年程度、持つのが一般的です。これはセラミックインレーやセラミッククラウンと同等の寿命があることを意味します。

どうやって貼り付けるの?

どうやって貼り付けるの?

ラミネートベニアのシェルは、歯の表面を一層削って貼り付けます。歯の切削は0.3~0.5mm程度にとどまり、その範囲も必ずエナメル質内に収めるため、歯の寿命が大きく縮まるようなことはありません。一般的なセラミック治療のように、歯を大きく削るようなことはありませんので、その点はご安心ください。また、歯の切削後はセラミック製のシェルが歯面をしっかりと保護することから、外から刺激を受けやすくなることもないでしょう。ちなみに、ラミネートベニアのシェルの厚みは0.5mm程度です。

ラミネートベニアはこんな人におすすめ

ラミネートベニアはこんな人におすすめ

ラミネートベニアは、次のような希望や悩みを持たれている人におすすめの治療法です。

☑すきっ歯を目立たなくしたい
☑悪い歯並びを短期間で治したい
☑前歯の形や大きさを理想に近づけたい
☑ホワイトニングでも改善できない歯の着色・変色がある
☑歯面のザラつきや先端のギザギザが気になっている
☑歯をあまり削らずに見た目をきれいにしたい
☑保険で治療した部分が目立ってきた
☑前歯全体のバランスに不満がある

本来、すきっ歯を始めとした悪い歯並びは矯正治療で、前歯の形や大きさの異常はセラミッククラウンによる治療で改善するものですが、ラミネートベニアなら厚さ0.5mm程度のシェルでもきれいに仕上げることが可能です。おそらくこれは実際の症例を見てみなければなかなかイメージもわかないかと思いますので、関心のある方は東京セラミック審美歯科クリニックの症例紹介のページをご覧ください。ラミネートベニアのわかりやすい症例を掲載しております。当院までお越しいただければ、さらに多くの症例をご紹介できるかと思います。

ラミネートベニアでできること

セラミック矯正はこんな人(症例)におすすめ

歯を少しだけ削るラミネートベニアでは、次のようなことができます。

・生まれつき小さい歯を正常な大きさにできる
・前歯のすき間を自然な形で埋められる
・歯の摩耗や穴をセラミックチップでカバーできる
・捻じれた歯を正常な見た目に変えられる

先天的に歯のサイズが小さい「矮小歯(わいしょうし)」は、被せ物であるセラミッククラウンで治療するケースが多いですが、ラミネートベニアでもきれいに仕上げることが可能です。当院でも矮小歯をラミネートベニアで治した実績が多々ありますので、小さい歯にお困りの方はご相談ください。

前歯の真ん中に不自然なすき間が存在しているすきっ歯もラミネートベニアで比較的改善しやすい症状といえます。上記は、ラミネートベニアでできることの一例で、その他にもさまざまな症例に対応可能となっております。ご自身の症状・ケースがラミネートベニアで治せるかどうか知りたいという場合は、東京セラミック審美歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。

ラミネートベニアが向かない人

ラミネートベニアが向かない人

ラミネートベニアは、歯質を少し削るだけで歯の形・大きさ・色調・歯並びを改善できる、汎用性の高い審美治療ですが、決して万能ではありません。次に挙げるような人はラミネートベニアが向いていないといえます。

・被せ物、差し歯を装着している
・切端咬合(せったんこうごう)である
・歯ぎしりや食いしばりの習慣がある
・歯並びの乱れが大きい

ラミネートベニアを適応できるのは天然歯です。エナメル質を一層、削ってセラミックシェルを専用の接着剤で貼り付ける処置となるため、被せ物・差し歯が入っている歯には適応できません。そうしたケースでは、基本的に被せ物・差し歯を作り直して、歯の形や色、大きさなどを改善することになります。

切端咬合とは、自然に噛んだ時に上下の前歯の先端が接触する噛み合わせです。その状態だとラミネートベニアに強い負担がかかることから、シェルが割れやすくなります。歯ぎしり・食いしばりといった悪習癖がある場合も同様の理由で、ラミネートベニアを適応できないことが多いです。

ラミネートベニアのメリットは?

ラミネートベニアのメリットは?

ラミネートベニアには、以下のようなメリットがあります。


【メリット1】歯を削る量が少ない


上述したように、ラミネートベニアは歯質を少し削るだけで歯の形や大きさを改善できる治療法です。前歯の表面を一層、0.3~0.5mm程度、削るだけなので、歯を大きく削らなければならないセラミッククラウンによる治療と比較すると、歯にかかる負担が極めて少ないです。ラミネートベニアが寿命を迎えて再治療を行わなければならなくなったとしても、歯の神経を抜く処置が必要になることはまずありません。つまり、ラミネートベニアは天然歯の寿命を大きく縮めることがない、体に優しい審美治療といえるのです。


【メリット2】治療にかかる期間が短い


すきっ歯のような前歯の歯並びの異常を歯列矯正で治療するとなると、歯を動かすだけでも1~3年、後戻りを防止する保定処置まで含めると2~6年程度の期間を要します。一方、ラミネートベニアは最短2回の通院で治療を完結できます。長くても3~4回の通院で治療が終わるため、短期間で歯の変色やすきっ歯を治したいという人には強くおすすめできます。


【メリット3】経年的な変色や摩耗が起こりにくい


歯の形や色を簡便に改善する方法としては、コンポジットレジン修復が挙げられますが、ラミネートベニアとは耐久性に大きな違いが見られます。コンポジットレジンはあくまでプラスチックであることから、治療から1~2年で変色や摩耗が見られるようになります。修復物そのものの寿命も2~3年であるのが一般的です。一方、ラミネートベニアで使用するシェルは、厚みが0.5mm程度しかないものの、安定性および耐久性の高いセラミックで作られているため、経年的な変色や摩耗はほとんど起こりません。


【メリット4】気になる部分だけをきれいにできる


歯並びを整える歯列矯正は、例えば前歯1本の位置や傾きを改善する場合でも、複数の歯に装置を付けなければなりません。ラミネートベニアの場合は、色や形、大きさなどが気になる歯だけを治療できるため、コストパフォーマンスが高い方法といえます。もちろん、前歯1本だけではなく、前歯4本という単位でも治療が可能です。それをセラミッククラウンで治療するとなると、かなりの費用と歯に対する負担がかかりますが、ラミネートベニアの場合は表面のエナメル質を一層、削るだけなので、気軽に気になる部分だけを治療できるようになっています。


【メリット5】天然歯そっくりに仕上げられる


歯の表面だけの治療となると、審美面においてはセラミッククラウンによる治療に劣るように感じますが、そんなことはありません。東京セラミック審美歯科クリニックの症例紹介でもわかるように、セラミック製のチップを貼り付けるラミネートベニアでも天然歯そっくりの見た目に仕上げることが可能なのです。治療前と治療後の写真を比較しても、何らかの処置を受けたとは思えないほどの自然な仕上がりとなっています。


【メリット6】治療に伴う痛みがほとんどない


歯の形や大きさ、歯並びをセラミッククラウンで改善する場合は、歯を大きく削るだけでなく、ケースのよっては歯の神経を抜く処置が必要となります。歯列矯正で改善する場合は、装置による刺激が歯を動かす時の力で相応の痛みが生じます。その点、ラミネートベニアは、歯を削る量が少なく、神経を抜く必要もない、さらには歯を動かすこともしないため、治療に伴う痛みも極めて少ないといえます。ですから、歯科治療に伴う痛みが不安という方には、痛みの少ないラミネートベニアを推奨できます。


【メリット7】金属アレルギーのリスクをゼロにできる


ラミネートベニアによる治療では、金属材料を一切使用しません。使うのはセラミック製のチップのみなので、治療後に金属アレルギーを発症するリスクはゼロといえます。一方、セラミッククラウンによる治療では、土台に金属を使用することがありますし、ワイヤー矯正に関しては言うまでもありません。そうした金属アレルギーのリスクをできるだけ下げたい、あるいはゼロにしたい場合は、ラミネートベニアによる治療が適しています。


ラミネートベニアのデメリットは?

ラミネートベニアのデメリットは?

ラミネートベニアによる治療では、次のようなデメリットを伴います。


【デメリット1】セラミックチップが割れる、外れることがある


上でも述べたように、ラミネートベニアの寿命は10~20年程度といわれています。おそらく、想像よりも長持ちすることに驚かれている方も少なくないと思います。けれども、ラミネートベニアは薄いチップを貼り付ける治療法ということもあり、セラミッククラウンよりも割れる・外れるリスクが高くなっています。例えば、日頃から硬い食べ物を好んで食べていたり、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖があったりすると、チップが大きな圧力に耐えられずに割れてしまうこともあります。そうしたラミネートベニアの弱点も正しく理解した上で、治療選択することが大切です。


【デメリット2】“歯をまったく削らない”わけではない


ネイルチップのような感覚で、セラミック製のチップを貼り付けると聞くと、歯をまったく削らなくて済むと誤解してしまう方がいらっしゃいます。その方法だと、セラミックチップの分だけ歯に厚みが出てしまうため、出っ歯や口ゴボの症状が現れかねません。そこでラミネートベニアでは、セラミックチップの分だけ歯を削ることになります。

歯を削るといっても、セラミッククラウンを被せる時のような大きな切削ではなく、歯の表側のエナメル質を0.3~0.5mm程度、取り除くだけなので過剰に心配する必要はありませんが、“歯をまったく削らない治療”ではないことを正しく理解しておきましょう。そうすることでラミネートベニアの治療で後悔することも少なくなります。


【デメリット3】歯科医師の技術によって仕上がりが変わる


これは審美治療全般にいえることですが、歯科医師が持っている知識や技術、経験などによって、仕上がりは大きく変わります。とくに過去の治療実績に着目することが大切です。これまで多くのラミネートベニアの症例をこなしている歯科医師ほど、患者さんの理想を治療によって具現化しやすいといえるでしょう。また、ラミネートベニアには、ラボサイドでセラミックチップを作る工程があります。そのプロセスを担うのは歯科医師ではなく、歯科技工士なので、信頼のできる歯科技工所と連携している点にも着目すると良いでしょう。


【デメリット4】適応できない症例も少なくはない


ラミネートベニアは、汎用性の高い治療法ですが、適応できない、もしくは向かない症例も少なくはありません。そもそもラミネートベニアは、上の前歯の形や色、大きさなどを改善するのに向いている治療法なので、それ以外の部位に適応するとなると、慎重に検討する必要が出てきます。その他、歯ぎしり・食いしばりの習慣がある、切端咬合である、歯並びの乱れが大きい、といった症例も適合外となりやすいです。


ラミネートベニアの値段はどのくらい?

ラミネートベニアの値段はどのくらい?

ここまでは、ラミネートベニアで出来ることや出来ないこと、治療に伴うメリット・デメリットについて解説してきました。ラミネートベニアがどんな治療法なのかは十分ご理解いただけたかと思います。その上で気になるのがラミネートベニアの値段・料金ですね。ラミネートベニアの値段・料金はセラミッククラウンや歯列矯正よりも安いということはわかっていても、実際どのくれいの費用で治療できるかは知りたいところかと思います。

ラミネートベニアの値段の相場

ラミネートベニアの値段の相場

ラミネートベニアの値段は、1歯あたり80,000~150,000円程度が全国的な相場となっています。値段の相場に大きな幅があるのは、ラミネートベニアが自費診療だからです。ラミネートベニアの値段は歯科医院で自由に決められるため、80,000円に設定しているところもあれば、150,000円に設定しているところもあります。

当院のラミネートベニアの値段

当院のラミネートベニアの値段

東京セラミック審美歯科クリニックでは、ラミネートベニアを80,000円(税抜)で施術しております。ホームページに掲載されているラミネートベニアの症例も1本あたり80,000円で施術したものです。東京ではかなり値段が安い歯科医院となっておりますので、ラミネートベニアで歯を白くきれいに整えたいという方は、お気軽にご相談ください。

ラミネートベニアのリスク・注意点

ラミネートベニアのリスク・注意点

ラミネートベニアは、他の治療法と比較すると、歯や体に優しい方法といえますが、いくつか注意しなければならない点があります。


【注意点1】元の状態には戻せない(不可逆性)


クリニックやホワイトニングは、歯の表面や内部に沈着した汚れを除去するだけの治療なので、施術前と何かが変わるわけではありません。一方、ラミネートベニアは少ないながらも歯を削る処置を伴うことから、後悔や失敗をしたからといって元の状態には戻せません。そうしたラミネートベニアの不可逆性には注意が必要です。


【注意点2】厚みが少し増すことがある


ラミネートベニアでは、セラミックシェルを貼り付けるためにエナメル質を削りますが、切削量は必要最小限に抑える必要があります。そのためエナメル質を削った量よりもセラミックシェルの方が厚くなるケースも珍しくはなく、結果として口元の厚みが少し増すことがあります。そうしたラミネートベニアによる仕上がりのイメージは、治療を始める前に歯科医師と患者さんが共有しておくことが大切です。


【注意点3】期待した治療結果が得られないことがある


ラミネートベニアは、とてもシンプルな審美治療です。だからといって誰でも同じような結果を出せるわけではありません。むしろシンプルな治療法だからこそ、歯科医師の技術や知識、経験が問われるともいえます。そのため歯科医師や歯科医院選びに失敗すると、期待した治療結果が得られない可能性も十分にあります。


ラミネートベニアでよくある質問

ラミネートベニアでよくある質問

Q.ラミネートベニアによる治療は痛いですか?

A.痛みはほとんど感じません。そもそもエナメル質内には歯の神経が分布してないため、歯の表面を0.3~0.5mm程度削るだけのラミネートベニアでは、何も感じないことの方が多いのです。ただし、局所麻酔を施す際の痛みは避けられません。

Q.ラミネートベニアの施術時間はどのくらいですか?

A.歯を削る処置は、数分で終わります。ラミネートベニアのチップはラボサイドで作成し、完成したものを来院していただいた際に装着します。セラミックチップの装着時間も数分から数十分で終わります。

Q.ラミネートベニアをした歯はホワイトニングできますか?

A.できません。歯科医院のオフィスホワイトニングやホームホワイトニングで効果が期待できるのは、天然歯のみです。ラミネートベニアはセラミックで作られたチップなので、過酸化水素や過酸化尿素で漂白することはできません。ラミネートベニアの変色や着色を改善する場合は、装置の付け替えが必要となります。

Q.ラミネートベニアに変色しますか?

A.経年的な変色はほとんど起こりません。セラミックは安定性に優れた材料なので、経年的に劣化しにくいのです。ただし、不適切な食習慣や口腔習癖があると、セラミックチップの摩耗や劣化が進んで、黄ばむことがあるため注意が必要です。

Q.ラミネートベニアと被せ物(クラウン)の違いは何ですか?

A. ラミネートベニアは、厚さ0.5mm程度の薄いチップで、正面から見ると歯の形をしていますが、被せ物のような立体的な構造にはなっていません。施術の際も歯の表側を一層、削るだけで装着できます。一方、被せ物であるクラウンは、立体的な歯の形をしています。そのため装着時の歯質の切削量も相応に多くなります。

Q.ラミネートベニアの治療で歯が脆くなることはありますか?

A.歯が脆くなることはほとんどありません。なぜならラミネートベニアでは歯質を一層、削るだけだからです。切削の範囲もエナメル質内にとどまるため、知覚過敏の症状が現れることもまずありません。ただし、削ったエナメル質を元に戻すことはできません。

Q.ラミネートベニアは取り外せますか?

A.取り外せません。ラミネートベニアは、専用の接着剤でしっかりと固定するため、半永久的に使い続けることを前提としています。もちろん、ラミネートベニアや治療した歯に何らかの異常が生じた場合は、適切な方法で撤去することができます。撤去した後は、もう一度ラミネートベニアを装着するか、別の装置で治療するかを検討することになります。

Q.ラミネートベニアには特別なメンテナンスが必要ですか?

A.特別なメンテナンスは必要ありません。一般的な歯科検診・メンテナンスを受けていれば、ラミネートベニアの異常にも早期に気付くことができます。